大豊町『にしどい』リクエストされた映画を観ます。

地域に住んでいる人が、映画を観に来ていただける場所です。

10月9日(土)『嵐を呼ぶ男(1957)』を観ました。

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美しい兄弟愛を中心に、好漢石原裕次郎が、唄って暴れてぐっと泣かせるとともにスケールの大きい充実した娯楽大作。
https://www.nikkatsu.com/movie/20222.html より)

●観た感想など
石原裕次郎は若さゆえに思い通りにならないイラつきみたいなものが上手く出ていたし、北原三枝演じるヒロインのバンドの女性マネージャーはカッコよかったです。
出来の悪い兄(裕次郎)と賢い弟のようなお話で、一緒に住んでいる母親は、弟ばかりかわいがって兄には文句ばかり言ってしまう。それで兄は「どうして母さんは俺を認めてくれないんだ。今度こそ認めさせてやる」みたいなことになります。

『子は親を思いやり、親は子と分かり合う』こういう考えが公開当時は強かったのかもしれないと思いました。なんでそんなにお母さんに自分を認めて欲しいのかが私にはよくわからなかったのです。今では『毒親』とか『分かり合えない親子ってのもいるんじゃないか』みたいなお話もいくつか出てきているので、時代の流れもあるのかもしれないと思いました。

10月2日(土)『喜びも悲しみも幾歳月 (1957)』を観ました。

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灯台守夫婦の波乱に満ちた生活を描いた壮大なる年代記。たった一度の見合いで結婚した灯台守夫婦が、職務のために日本全国を転々としながら愛をはぐくみ、激動に時代をくぐり抜けていく究極の人間賛歌!
https://www.shochiku.co.jp/cinema/database/03102/ より )

●観た感想など
昭和7 年から25年間の、点在する灯台を転々としながら厳しい駐在生活を送る灯台守夫婦の物語です。

2時間半もあるのですが、勤務する灯台が変わると風景が一変して、いきなり雪の覆われた北海道だったり、南国風景の南の島だったりして、面白く観ているうちにあっという間でした。

高峰秀子佐田啓二の存在感が観てて清々しいです。
そして、これは日本が戦争に参加して、敗戦を迎えるまでの物語でもあります。
ある夫婦の人生を一本の映画の中で体験したような気分になるし、南から北まで遠くを旅したような気分になるロードムービーでもあります。
このような”人生讃歌(人生の素晴らしさを表現する作品のこと)”は今まで観てこなかったような気がして、新鮮に感動して、観終わって気分がよかったです。

9月25日(土)『マルサの女(1987年) 』を観ました。

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マルサの女』(マルサのおんな)は、1987年公開の日本映画。
国税局査察部(通称マルサ:〇査) に勤務する女性査察官と脱税者との戦いを、コミカルかつシニカルに描いた映画。 監督・脚本は伊丹十三
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%B5%E3%81%AE%E5%A5%B3 より )

●観た感想など
伊丹十三の作品は生生しい。
今作でも最初のシーンは豊かなオッパイにしゃぶりつく老人である。 私にとってはその生生しさが魅力ではあるが、人によってはそれで引いてしまうこともあるであろう。
今回は男と女ベッドシーンがあまりにも生生しくて、なんだか観に来ている人に気まずくなってしまった。「確か、安心して見れる娯楽映画でなかったっけ」と思った。映画館で観た時には周りの人はまったく知らない人なので、当たり前だが気まずくはならなかったのであった。
伊丹十三作品は観てる側を安心安全なところに居させてはくれない。他の作品では『静かな生活』なんかがそういう部分が凄かった(劇中劇で女子学生が乱暴されるシーンが入るところ)と思う。家族や知り合いなんかで観たら、かなり気まずくなってしまう作品である(しかもその乱暴シーンがすごく生々しかった)。
伊丹十三作品は『家族で安心して観れる作品』という方向の逆に向かっていってた気がする。なんでそうなっていったのだろうか、なにを見る側に突きつけたかったのだろうか。伊丹十三の他の作品も、また観たくなった。

9月18日(土)『千姫と秀頼(1962年)』を観ました。

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愛ひとすじ──悲劇のヒロイン千姫に挑んで、堂々とドラマチックな演技を見せた美空ひばりの本格派時代劇。
昭和三十年代後半、人気実力ともに頂点を極めた美空ひばりが、女優としての魅力を十二分に発揮した記念すべき感動大作です。
https://www.toei-video.co.jp/catalog/dutd02376/ より )

●観た感想など
はじまりは大阪夏の陣で、徳川の大軍勢が大阪城に攻め込みます。今見ても見事な群衆シーン。当たり前ですが当時はCGなんてないですから、隅々までちゃんと人が演じてるのでした。
コメディ時代劇の多い印象の美空ひばりですが、今作は本格時代劇です。はじめからおわりまでシリアス演技で、これが見応えのあるシーンが連続です。注目はそれだけでなく、着物の美しさ、場面空間の美しさ、どれも素晴らしいので、映像を見る幸せを感じました。
あとストーリーも非常に親切にわかりやすく描かれているので、歴史ものではありますが、とっつきやすかったです。

9月11日(土)『釣りバカ日誌14 お遍路大パニック! (2003年)』を観ました。

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心静かにお遍路旅を続けたいスーさんと、あわよくば釣りがしたいハマちゃん、に“釣りバカ”の高知のタクシー運転手(間寛平)が絡んで珍道中となる。四国ロケが効果を上げている。
豪快な高知女性の典型“ハチキン”ぶりを高島礼子がうまく表現、三宅裕司とのロマンスがみどころになっている。
(  https://www.cinemaclassics.jp/tsuribaka-movie/movie/16/ より )

●観た感想など
とても魅力的に高知県が出てくる作品で、なにしろ観ていて盛り上がるので、みんなで集まって見るには最適な作品かと思います。
三宅裕司西田敏行の歌のシーンとか、見どころも多いです。高島礼子がとても魅力的だし、母子家庭の引きこもり気味のお子さんの描き方も、深入りしすぎないでちょうどいい感じ。
観終わって「あー面白かった!」と思わず声が出てしまうってのは、簡単なようでなかなかそういう作品には出会えないもので、今作は観にきたみなさん「あー面白かった!」と話がはずみました。

9月4日(土)『希望の乙女(1958年)』を観ました。

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歌手を夢見て北海道から東京へ。無名の少女が明日への希望に向かって、明るく生きる──溌剌たる歌と恋と友情で綴る青春明朗ドラマ。
戦後の芸能界に11歳でデビューして、日本中の人気を一身に集めた美空ひばりの芸能生活十周年記念映画。過去、美空ひばり映画を最も多く手掛けた巨匠佐々木康監督作品です。
https://shop.toei-video.co.jp/products/detail.php?pid=DUTD02430 より )

●観た感想など
どちらかというと、ドラマよりか唄や音楽がメインの作品で、高倉健がコミカルな役で出てくるのも面白いです。
美空ひばりの唄のシーンは、今まで聞いたことのないようなジャンルの曲調(サンバとか)が出てくるので、それを見るのも価値があると思います。それでいて重要なシーンはちゃんと王道の曲にしているので、作品の流れもメリハリがあります。
唄メインだとドラマが空っぽみたいな作品もありますが、今作はドラマもしっかり満足する作りになっていたと思います。
美空ひばり映画をはじめて観るような人にもおすすめです。

8月28日(土『たそがれ清兵衛(2002年)』を観ました。

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構想に10年以上を費やし、時代考証に一年以上をかけて、山田洋次監督が満を持して挑んだ渾身の一作。原作は2002年現在、文庫本の総発行部数が2300万部を超え、今もなお圧倒的な人気を誇る時代小説の第一人者・藤沢周平。主演は日本を代表する演技派俳優・真田広之。幼なじみのヒロインに映画賞総ナメの宮沢りえ。さらに世界的な舞踏家である田中泯が、清兵衛の敵役として息を呑む迫力ある演技を披露し、銀幕デビューを果たす。第76回米アカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品
https://www.shochiku.co.jp/cinema/database/04570/ より )

●観た感想など
よくみんなで観る時代劇っていうのは、血の出ないチャンバラものが多く、おかしな表現かもしれませんが「ワチャワチャしたような作品」が多かったので、このタイプの時代劇はあまり観ていませんでした。
私は淡々と前半の静かな流れが好みで、最後に剣と剣の命をかけた勝負になるのも好きなのですが、観にきてた人には少し退屈だったような感じがしました(『武士の一分』の方がよかったかも)。
そのへんも踏まえて、今後観る作品は選んでいこうかと思いました。