大豊町『にしどい』リクエストされた映画を観ます。

地域に住んでいる人が、映画を観に来ていただける場所です。

11月20日(土)『大菩薩峠(1957)【片岡千恵蔵主演】』を観ました。

中里介山不滅の名作を柴英三郎と「母と子の窓」の猪俣勝人が脚色し、「暴れん坊街道」の内田吐夢が監督した。
撮影は「雨の花笠」の三木滋人。主な出演者は「地獄岬の復讐」の片岡千恵蔵、「ゆうれい船 (前篇)」「ゆうれい船 (後篇)」の中村錦之助、「股旅男八景 殿さま鴉」の長谷川裕見子、「鞍馬天狗 御用盗異聞」の月形龍之介
https://eiga.com/movie/37649/ より )

●観た感想など
大菩薩峠』は4回ほど作られているが、今作は内田吐夢監督で片岡千恵蔵主演の作品である。
もう片岡千恵蔵の存在感が異様である。魂が濁っている感じの異様さなのである。3部作なので全部観たら、この後作られた市川雷蔵主演のものも観てみたい。

町田康の『パンク侍、斬られて候』は、娘と巡礼するおじいさんをいきなり侍が切り捨てるところからはじまる(この作品では何故斬ったのかは侍から語られる)。これは今作からきていたのがわかった。こんな極悪非道なはじまりは、間違いなく脳に焼き付いてしまう。

「この侍は、なんでこんな酷いことをするのだ」という気持ちで、最初から最後まで作品に惹きつけられてしまう。話がよく出来てるし、登場人物もそれぞれ際立っていて、強力な重力のように引かれ合い、物語が展開していく。こんなのを子供に見せたら、真似をしてしまい、なったらダメな人になってしまいそうである。

観にきた人も、楽しく観れたようだし、観終わった後に話もはずんだ。「剣の腕はすごいが、その他はダメな中年おやじじゃないか」とか。